能登半島地震から時間が経つ中、復興支援にはさまざまなかたちがあります。今回は、能登の人や事業を伝える取り組みを記事にして発信している「シロシル能登」の事業マネージャー、内藤さんにお話を伺いました。■ どのような取り組みをしているのですか?内藤さん:「シロシル能登」は、能登半島地震、奥能登豪雨からの復興を目指す能登の「いま」を発信している復興支援メディアプラットフォームです。「シロシル能登」という名称は、能登復興との「関わりシロを知る」という言葉からきています。能登の団体さんや事業者さんのことを記事にして「シロシル能登」に掲載することで、地域の外の方に知ってもらい、買う、体験する、働くといったアクションにつなげ、「関係人口」となってもらうことを目指しています。■ どういった経緯で能登に関わるようになっていったのですか?内藤さん:僕は東京在住なのですが、2024年の元日、テレビで震災のニュースを見て、とんでもなく大変なことが起きているなと思いました。能登のために何かしたいという気持ちはあったのですが、そのときは募金をするくらいしかできなくて。自分が持っているITスキルを活かして能登に関わりたいと思っていたところ、2024年10月頃、「仕事で得たスキルや経験を能登で活かしませんか」というボランティア募集を見つけ、「これだ!」と思って、参加したのがきっかけです。■「シロシル能登」はどのようにして、今の形になったのですか?内藤さん:実はボランティア募集の段階では、「シロシル能登」が何をするのか具体的な内容が決まっていませんでした。もともとは災害ボランティアを募る仕組みを作ろうとしていましたが、現地の話を聞く中で、本当に必要とされているものは別にあるのではないかという話になりました。災害ボランティアを募るサイトは既にほかにもあったので、同じようなサービスを何個も作るのではなく、別の課題を解決しようということになったんです。いろいろと話を聞く中で、能登の事業者さんは、コンテンツや技術は持っているけれど、外に発信する力があまり強くないと感じていました。そこをITやシステムで支えることで、事業者さんが本業に集中できるような仕組みを作れたらいいのではないかと考えるようになりました。■記事づくりで大切にしていることは何ですか?内藤さん:記事はニュースのように何が起きたかを伝えるのではなく、誰がどう生きているかに焦点を当てて伝えることを大切にしています。記事を書いているのは、能登に思いを持っている多くのライターです。普段は県外にいるライターも多いのですが、記事を書く際はできるだけ現地に足を運んで取材しています。実際に現地を見ていないと、細かい部分や空気感が記事でも伝わらないからです。これまで(2026年2月時点)に、約130の団体さんを取材させていただきました。■活動を通して見えてきた能登の姿を教えてください。内藤さん:瓦礫をどかして家を直すだけではなく、新しい事業が生まれることも復興の一つなんだと感じました。震災をきっかけに起業する人や、新しい取り組みを始める人がいるというのはとても印象的です。能登には人が優しくて、挑戦を受け入れてくれる雰囲気があると思います。自然や資源も豊かで、いろいろなことができる可能性がある魅力的な地域だと感じています。■「シロシル能登」はどんな存在になっていきたいですか?内藤さん:震災のネガティブな面だけではなく、その後に何をしているのか、どんな挑戦が生まれているのか、いろいろな人に伝えることで、能登のなりわいが100年後も続いていくことに少しでも関われたらと思っています。地域の外の人と、もともと地域にいる人が一緒に新しいことを生み出していく。そのきっかけをつくれるような存在でありたいです。■ 最後に、この記事を読んでいる方に伝えたいことはありますか?内藤さん:まずは「シロシル能登」の記事を読んで、事業者さんや団体さんのことを知って欲しいですね。記事を読めば、東京にいながらウェブ上で能登のことを知ることができます。読むだけでも関係が生まれると思っていますし、そこから買ってみたり、体験に参加してみたり、読者のみなさんの状況に合わせた関わり方を選んでもらえたらうれしいです。記事を通して「推し」を見つけて応援してもらって、最終的には記事に出てくる人や事業のファンになってほしいです。「推し活」ですね。そうなっていただけたら最高です。「シロシル能登」は、こちらからもアクセスできます